著書

著書一覧

3.11霊性に抱かれて
魂といのちの生かされ方

亡き人は今もそばにいる。本書は、魂の奥底から大切な人との再会を懇願したときに現れる“霊性”の世界観である。
被災地では悲しみを癒し、立ち直りを支える多様なツールが編み出されている。
一般的には、この世界から肉体が消えてしまった人びとは、過去の時勢に属することになる。
それに対して、生者がひたすら耳を澄ませて死者の声を聴こうとすると、死者は、過去と現在との境を越え、現在の時間に浸潤してくる存在になる。
霊性という死者と生者のあわいに着目しながら、「今は昔」語りが展開される。
“被災地タクシーの幽霊現象”で大反響を呼んだ「呼び覚まされる霊性の震災学」待望の姉妹編。

東北学院大学震災の記録プロジェクト

ISBN-10:4788515725
ISBN-13:978-4788515727

新曜社 2018/4/11 192頁

Amazon

目次

出版に寄せて

 本書は、私ども東北学院大学金菱ゼミナールで2016年3月より約1年以上かけて「震災と死者のあわい」をテーマに聞き取り調査を進めてきた成果報告書です。 震災において心の奥底に仕舞い込んでいるものとは何なのかという深いテーマと格闘してきました。
 いま、被災地では何が見え始めているのだろう。それは内なる目線を通せば、復興のあり方ではない。復興は、止まってしまった時間を再生の道へと誘うことになる。その過程のなかで、死者を置き去りにして、生(者のため)の復興が進められる。それに対して、私たちは霊性の立場をとる。霊性は死者と生者の織りなす時空間である。

著書一覧